ハイレゾ対応DACのおすすめ機種!ジャンルごとにご紹介!!
「ハイレゾ音源」という言葉が聞かれるようになってしばらく経ちました。
新しもの好きの人、音質の追求に興味のある人など色々なタイプのユーザーがいると思います。
そんな中でより良い音で音楽を聴きたい人の中には、ハイレゾ再生に手を出したい方、既にハイレゾ再生に乗り出した方もいらっしゃることでしょう。
ハイレゾと言う言葉は、最初は一部の先進的なオーディオマニアの中だけで通じる概念でした。
再生可能な機材も限られ、オーディオの中でも特殊なジャンルと考えられていた部分があります。
ですが、スマートフォンのハイエンド機種が単独でハイレゾ音源の再生に対応した時期ぐらいから、少しずつ流れが変わり始めました。
日本では抜群の影響力を持つソニーのウォークマンがハイレゾ対応を始めたこともあり、ハイレゾという言葉の知名度自体も大きく上がったと思います。
そういった色々な流れから、ハイレゾという言葉が耳に入ってくるケースも増えていることでしょう。
そしてそれがきっかけとなって、お気に入りの楽曲をもっといい音で聞いてみたい、と考えるユーザーも増えてきているのではないでしょうか。
また、今使っている音楽再生用の機材が出す音にどこか不満を感じているユーザーもいることでしょう。
この記事では、以下の機材を使って音楽を聞くケースで音質を向上させる手段を取り上げます。
- iPhone
- Androidスマートフォン
- パソコン
それぞれの機種でハイレゾ音源をよりいい音で聴くのに適している機材の例として「ポータブルアンプ」や「DAC」をご紹介します。
各機種ごとのおすすめDAC/ポタアン一覧
iPhone、Andoridスマートフォン、パソコンで、よりよい音でハイレゾ音源を聴くのに便利な機器の一例をご紹介します。
iPhone
iPhone 7ではイヤフォンジャックが省略されました。
このような事情も考えると、新しいiPhoneユーザーにはLightningコネクタに直結できる機器が便利でしょう。
このタイプのハイレゾ対応機器としては、ロジテックの「LHP-A192HRGD/LHP-A192HRSV」という機種が手軽かつ便利に使えます。
またiPhoneにUSBカメラアダプターを接続すると、「USB DAC」というタイプの製品も利用可能になります。
こちら製品では、M-AUDIOの「Micro DAC 24/192」が非常にコンパクトで持ち運んでの利用に便利です。
Androidスマートフォン
Androidスマートフォンの最近の上位機種は、スマホ本体だけでハイレゾ音源の再生に対応しています。
ですがよりしっかりした再生を行うには、ハイレゾ対応のUSB DAC内蔵ポータブルアンプを接続するのが効果的です。
比較的入門用に近いおすすめ機種としては、ソニーのPHA-1Aがあります。
パソコン
パソコンでハイレゾ音源再生のお手軽なお試しを、という場合は、USB DAC内蔵のヘッドフォンアンプが適しています。
オーディオテクニカのUSB DAC内蔵ヘッドフォンアンプの「AT-HA40USB」がおすすめ製品の一つです。
iPhoneのところで取り上げたM-AUDIOの「Micro DAC 24/192」もパソコンでの入門用におすすめです。
ノートパソコンと一緒に持ち運んでの利用に最適な小ささ・軽さを実現しています。
スピーカーから音を出したいユーザーには、USB DAC内蔵のデジタルアンプにサイズも小さく消費電力や発熱の少ない製品が揃っています。
最新の製品ではありませんが、音に定評もあって値段の面でもこなれてきたTEACのA-H01がお勧め機種の一つです。
このページでは、どの機種用に関しても比較的お手軽に手に入る価格帯の製品を取り上げています。
より本格的な音を求める方には、さらにもっと上の製品もたくさんあります。
より上の音を目指される方はこちらで得た情報などを元に、いろいろ調査を進めてみると良いでしょう。
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各機種ごとのお勧め機材の詳細
前の章で簡単に各機種ごとのお勧め機材をザッと紹介しました。
こちらの章ではもう少し詳細にその内容を掘り下げてみましょう。
iPhone向けおすすめDAC
最初にちょっと蘊蓄的なものとして。
DACとはDigital to Analog Converterの頭文字を取ったものです。
コンピュータが扱うのに便利なデジタルデータをアナログ信号に変換するためのパーツ、機材です。
オーディオでは、音源データをスピーカーから音を出すのに必要なアナログ信号に変換するための機材のことを指します。
DACはほとんどすべてのスマートフォンやパソコンに内蔵されています。
ですが、これらの機器内蔵のDACは音質の面では十分でない部分が多くなっています。
このため本格的にオーディオとして利用するならば、しっかりオーディオ機器として作り込まれた製品を追加した方が良い、というタイプの周辺機器です。
iPhoneは音楽再生アプリで再生した音楽のデータを、Lightningコネクタなどからそのままデジタル出力する機能があります。
外付けのDACはこれを利用します。
iPhoneから引き出したデジタルデータを外付けDAC側でアナログ信号に変換します。
これにより、iPhone本体での再生よりも高音質での再生を行えるようになっています。
iPhone用にはLightningコネクタに直結できるタイプのDACがあります。
また、USBカメラアダプタを介することでUSB端子を引き出してUSB DACを使う方法もあります。
ただ、Lightningコネクタ直結のタイプの製品はまだ数が少ないのが現状です。
しっかりとハイレゾ音源に幅広く対応可能はDACは、今のところロジテックの「LHP-A192HRGD/LHP-A192HRSV」だけとなっているようです。
この製品はiPhone本体から電源の供給を受ける形で動作します。
おかげで本体はコンパクトで軽く出来ています。
この部分はこの製品の大きなメリットの一つです。
ただしこの製品を使って音楽を聴いているときには、iPhone本体の電源の消耗が大きくなります。
ですが、確実にiPhone本体での再生よりも音質面での向上が見込める製品です。
音質面ではAmazonでも良いレビューが付いています。
ただ、注意する点としては音量の調節範囲に不満を持つレビューもありますので、出来れば購入前に音量の確認を行った方が良いかもしれません。
もう一つiPhone向けのお勧めDACとしてはM-AUDIOの「Micro DAC 24/192」を取り上げます。
Micro DAC 24/192はUSBメモリのような形、サイズをしたDACです。
接続はUSBコネクタ経由になります。
iPhoneで利用する際には、USBカメラアダプタを介して接続を行う形になります。
こちらはサイズも重さもまさにUSBメモリと同等で、非常にコンパクトで軽くなっています。
iPhoneと一緒に持ち運んでもほとんど邪魔にならないサイズです。
逆になくしてしまうことのほうを心配しないといけないかもしれませんね。
音質面でも問題はなく、しっかりとハイレゾらしい再生の行える製品です。
この小ささながら、24bit/192kHzまでのサンプリングレートに対応するところもお勧めのポイントです。
現在で回っているハイレゾ音源のほとんどを、変換することなく再生することが出来ます。
ただ、こちらも動作するための電源はiPhone本体からもらう形態です。
このため、この製品経由で音楽を聴くときにもiPhoneのバッテリーの持ちは悪くなります。
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Androidスマホ向けおすすめUSB DAC機能付きポータブルアンプ
AndroidOS搭載のスマートフォンのハイエンド機種は、本体のみでハイレゾ音源の再生が可能な機種が多くなりました。
このため今もっともお手軽にハイレゾ音源の再生にチャレンジできるのが、新しいスマートフォン、という状況になってます。
今のスマートフォンは、内蔵しているヘッドフォンアンプもかなり頑張ってくれています。
ですが、それでもスマートフォン本体だけで出来ることにはやはり限界があります。
より音質を追求したい方は外部にポータブルアンプなどを追加するのが、一番確実な方法と言えるでしょう。
AndroidスマホでもUSB端子にDACを接続するとそちらから音楽の再生を行うことが出来ます。
新しいスマートフォンの多くはこの接続方法に対応しているはずです。
そしてこの機能を利用するUSB DAC内蔵のポータブルアンプもたくさん発売されています。
この形でのハイレゾ音源再生の最初の一歩用としては、ソニーの「PHA-1A」が比較的お手頃です。
この製品は、非常にシンプルなデザインで小型軽量の本体を実現しています。
スマートフォンと一緒に持ち歩いてもあまり邪魔にならないサイズ・重量になっています。
ソニーのハイレゾ用ヘッドフォンアンプとしては入門用の機種になります。
ですが、中身の作りはかなり本格的で、ソニーのオーディオ作りの各種ノウハウが詰め込まれています。
ポータブルアンプと言われるタイプの製品は、基本的にアンプ側を動かすためのバッテリーを自分で持っています。
ですのでスマートフォンと接続して再生を行っても、スマートフォン側のバッテリーに負担をかけません。
価格面ではAmazonで3万円以下で購入可能で、ハイレゾ対応のウォークマン入門機と近い価格帯です。
メジャーメーカー製のポータブルアンプとしては、お手頃価格と言えるでしょう。
音質面では同価格帯のウォークマンよりもPHA-1A側にメリットがありますので、選択の際には悩ましいケースもあるかもしれません。
また、この機種特有の特徴としてはソニー製のスマートフォン、Xperiaシリーズとの相性の良さがあります。
本体のみで公式にはハイレゾ対応がうたわれていなかったXperiaでも、このポタアンとの組み合わせなら、ハイレゾ音源の再生が可能になる機種があります。
特にXperiaユーザーはチェックを入れておいた方が良い製品と言えるでしょう。
パソコン向けおすすめDAC
「USB DAC」はDACの中でもパソコンやスマートフォンのUSB端子に直結できるタイプの製品を指しています。
USB端子から音楽のデジタルデータを引き出して、それを変換して音を出します。
とてもパソコンとの相性がいいのが特徴です。
この節ではUSB DAC機能内蔵の製品を紹介していきます。
著者はパソコンを使ってハイレゾ音源をいい音質で聞きたい方に最初のおすすめとしては、ハイレゾ対応のUSB DACを内蔵したヘッドフォンアンプからご紹介しています。
スピーカーを鳴らすためのシステムでそれなりにキッチリとした音を出すには、どうしてもその分多めの予算が必要になります。
DACだけではなく、そこそこしっかりしたアンプとスピーカーも手配しないといけません。
お気に入りのヘッドフォンだけ用意できればしっかりとした再生が可能なヘッドフォンアンプよりも、どうしてもお金が余分にかかります。
というわけでまずはハイレゾお試し用として、パソコンでのハイレゾ音源のある程度しっかりした音質での再生にチャレンジしたい方向けの製品です。
このタイプの製品としては、オーディオテクニカのUSB DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「AT-HA40USB」をおすすめします。
こちらは1万円ちょっとの予算で購入可能です。
この製品は利用する際のドライバーのインストールが不要です。
Windowsパソコンでも、パソコン本体のUSBコネクタに接続するだけでハイレゾ音源の再生が可能になります。
若干古めの製品ですがAmazonのレビューでも高評価となっていて、音質面ではしっかりとした定評があります。
アンプの回路にもオーディオテクニカのノウハウが活きている製品となっています。
外出先でもいい音で音楽を聴きたい方には、iPhoneの章でご紹介したM-AUDIOのMicro DAC 24/192もおすすめです。
こちらは専用のドライバーを最初にインストールする必要があります。
ですがとにかくサイズが小さくて軽く、外出する際にも荷物になりません。
またより音質を追求したくなったら、光デジタル端子を使って外部により高性能なDACを接続することも出来るようになっています。
簡単に音のグレードアップが図れます。
パソコンを使ってスピーカーからしっかりした音での再生を行う場合には、USB DACを内蔵した小型プリメインアンプを使うのが比較的お手頃な手段になります。
そんなアンプの中でもデジタルアンプを搭載した機種が、サイズも小さめで消費電力・発熱も少なく、使いやすい製品が多くなっています。
このジャンルではやはり少々古めの機種になりますが、価格のこなれてきたTEACの「A-H01」をおすすめ機種としてあげておきます。
一般的なオーディオコンポの半分ほどの幅のコンパクトな本体となる機種です。
小型ながら最高40W+40Wのパワーがあります。
また、USB接続ならば24bit/192kHzまでのハイレゾ音源の形式に対応しています。
著者はこのアンプと同じTEACのスピーカーS-300と組み合わせて使用しています。
パソコンを使う際の近距離で再生を行ってもとても違和感の少ない、いい音質での再生が行えます。
アンプ自体による音の脚色がとても少なく、音源そのものの音がかなり素直に表現されるアンプになっています。
パソコンのそばで利用しても全く邪魔にならないコンパクトさも持ち合わせています。
スマホの内蔵アンプとポタアン経由の音の比較
今の新しいスマートフォン、特に上位の機種ではスマートフォン本体での音楽再生でもずいぶんと音質は向上してきました。
かつてのとりあえず音が出ていればいいや、というレベルの製品とは全然違う音質での再生が可能です。
スマホ本体のみでハイレゾ音源対応という流れが生まれたことが、スマホの音質の改善に拍車をかけたかもしれません。
ですが、やはり限界はあります。
スマートフォンの中身は省電力のパソコンと同じようなものです。
内部にはオーディオ的にはノイズ源としか言いようのない部品がたくさん使われています。
スマートフォンの小さな筐体の中では、そういったノイズをシャットアウトしきるのは大変に難しくなっています。
また、スマートフォンは携帯電話として強力な電波も発信しますので、そういったものもオーディオの大敵と言える存在です。
根本的に音を良くするのは大変に難しい製品と言って良いと思います。
ですので、スマートフォン内部のノイズの元と完全に分離できて、電源もスマホ本体とは別のものを自分で持っているポータブルアンプは、音質の条件面で最初から大きな差が付いているのです。
しっかりした製品であれば、ポータブルアンプを使えば確実にスマートフォン本体のみでの再生よりも音質は向上します。
ただ、ポータブルアンプもよりしっかりした音質の製品を選ぶと、価格、サイズの両方の点で、高音質のポータブルプレイヤーに並ぶような存在感になります。
このため、スマートフォン+ポータブルアンプを選ぶのか、スマートフォンとは別にポータブルプレイヤーを持つのか、音楽を聴くという観点では一つ考えどころが生じてくると言えるかもしれません。
スマートフォンで見る動画やゲームの音質も高音質にしたい、と言う場合には、スマートフォンとポータブルアンプの組み合わせの一択にはなりますが。
まとめ
- iPhoneでLightning直結のDACならば、まずはエレコムのLHP-A192HRGD/LHP-A192HRSV
- Androidスマホで音質のグレードアップのおすすめポタアンの一つはソニーのPHA-1A
- パソコンで手軽にハイレゾを始めるなら、まずはヘッドフォンアンプ。おすすめはオーディオテクニカのAT-HA40USB
- パソコンでスピーカーからいい音を出したいときにはUSB DAC内蔵アンプ。おすすめはTEACのA-H01
出先で聴く音楽も自宅で腰を据えて落ち着いて聴く音楽も、どこまでの音質を求めるのかそれぞれのユーザーの望むレベル次第です。
すっかり音源データ側がデジタル化した今ならば、ユーザーが望むレベルに合わせて音源のデータ自体から様々な選択肢があります。
今回この記事でご紹介した機種は、1万円~3万円以下で購入可能な機種で、どちらかというと入門レベルの機種になります。
そういった機種でも、しっかりとハイレゾらしい再生が可能な機種を取り上げました。
今の音からのグレードアップを目指す際には、まずは最初のステップとしてこれぐらいの機種から始めてみるのが良いでしょう。
ただ、オーディオ製品はより上を目指すならば、かけたコストに見合う性能を持つ製品がまだまだたくさんあります。
どういったレベルの音が欲しいのか、ご自身の目標とご予算を天秤にかけて、情報収集、機種探しをされると良いと思います。