ハイレゾの比較・試聴の出来るサイトは?

ハイレゾ音源の試聴用データを用意してくれているサイトは、moraやe-onkyoなどの音楽のダウンロード販売サイト、ウォークマンを販売するソニーなどいくつかのサイトがあります。

ですが、同じ音源から複数のフォーマットのデータを作って試聴用に提供してくれるサイトとなると、数は非常に限られます。

今回は試聴用音源データを提供してくれているサイトの紹介とからめて、音源のフォーマットごとの試聴に関して以下の観点でまとめてみます。

  • ハイレゾ音源の比較試聴の出来るデータがあるサイト
  • SACDと(PCM系)ハイレゾ音源の比較
  • DSD音源とPCMのハイレゾ音源の比較
  • CDとハイレゾ音源の比較
  • MP3とハイレゾ音源の比較


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ハイレゾ音源の比較試聴の出来るデータがあるサイト

著者が知る範囲では、同じ音源から複数のフォーマットの試聴用音源データを用意して無償で公開してくれているサイトは、「2L」(http://www.2l.no/hires/)だけだと思います。

ハイレゾ音源の比較・試聴の出来るサイトは?

ここではサンプルとして提供してくれている楽曲の種類も大変多いのですが、それ以上に驚くのは対応フォーマットの数の多さです。

PCM系でもCDクオリティから24bit/352.8kHzの高サンプリングレートまで、幅広いデータを準備してくれています。

さらに最近話題のMQAにも対応する上に、DSD形式も3種類、さらには5.1chのサラウンド音声まで準備してくれています。

ただし2Lのサンプルサイトには、MP3やAACなどの圧縮音源のデータはありません。

このため、ほぼCDクオリティの音源と各種ハイレゾ音源との比較用のデータ専用と考えて良いでしょう。

また、ソニーの試聴用音源のデータ(http://helpguide.sony.net/high-res/sample1/v1/ja/)はPCM系のハイレゾ音源とAACのデータが用意されていて、こちらはハイレゾと圧縮音源の比較が行ないやすくなっています。

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以前の記事でハイレゾ音源の無料サンプルを配信しているサイトをまとめております。詳しくは下記をご覧ください。
ハイレゾ音源のお試し用に。無料サンプル配信サイトのご紹介

SACDと(PCM系)ハイレゾ音源の比較

SACDには音のデータはDSD形式で収録されています。というよりもSACDの音声収録方式をそのまま流用したのが、ハイレゾ音源としてのDSD形式と言った方が良いでしょう。

このためSACD自体もハイレゾ音源の一つです。もしSACDの音との比較を行なうのならば、PCM系ハイレゾ音源との音の違いを試す、という形になると思います。

ただ、通常はSACDの音を出す場合には、SACDプレイヤー側のDACを使っての再生になるでしょう。

これに対して比較対象のPCM系の音源はパソコンやポータブルプレイヤーなどのDACを使って音を出すことになり、再生条件が同一にはならないケースが出てきます。パソコンの光学ドライブでSACD再生に対応できるものは存在しませんし。

SACDプレイヤーが内蔵DACを通さない音源データそのままの出力を可能にしている場合には再生環境の統一も可能ですが、外付けDACは出来ればネイティブでのDSDデータのデコードに対応する機種を使いたいところです。

PCM形式に変換しながらの再生でも、DSDらしい「アナログっぽさ」をきちんと表現できるDACが増えていますが、SACDの本来の音を聴きたいならば出来ればクリアしておきたいスペックです。

同じDACを使った再生がかなわない場合には、SACDとPCM系ハイレゾ音源の音の比較というよりも、SACDプレイヤーのDACとPCM系ハイレゾ音源再生で使うDACの音の比較、という意味合いが強くなることを意識しておく方が良いかもしれません。

DSD音源とPCMのハイレゾ音源の比較

さて、肝心のDSD音源とPCM系のハイレゾ音源の音の比較です。

ハイレゾ音源の比較・試聴の出来るサイトは?

前の章にも書きましたとおり、出来ればDACはDSD形式にネイティブ対応する機種を用意したいところです。

音の傾向としては、PCM系はデジタルらしいシャキッとした音の立ち上がりなどが表現されやすいとされています。それに対してDSDはよりアナログ的な、音のつながりの良さや滑らかさの表現に優れているとされています。

どちらの音が「良い」と感じるかは、リスナーの好み次第、となると思います。

CDのデジタルな音から音楽鑑賞に入った人だとPCM系の音が心地よいかもしれませんし、それ以前のアナログの音を知っている人にはDSD形式の方がフィットするかもしれません。

再生環境をお持ちの方は、ぜひ2Lなどを活用させてもらい、音の違いをチェックしてみると良いでしょう。

CDとハイレゾ音源の比較

通常販売されているCDとハイレゾ音源の比較を行なう場合には、フォーマットの違いから来る音質の違いよりも「マスタリング」の違いによる音作りのそもそもの相違のほうが影響が大きいことがあります。

CDでは一部のタイトルでは「音圧競争」とも呼ばれる、ひずまない範囲でできる限り収録ボリュームを上げるタイプの音作りがされていることがあります。

これに対してハイレゾ音源では音源フォーマットの余裕を活かして、小さな音から最大ボリュームの音までのダイナミックレンジを使い切ろうとする音作りが主流になっています。

このため同じタイトルのアルバムでもCDとハイレゾ音源とでは音の傾向が全く異なることがあります。

もし純粋な音源フォーマットの違いによる音の違いをチェックしたいときには、やはりサンプルサイトの活用が必要になるでしょう。

PCM系のハイレゾ音源であっても、ハイレゾ音源は一般にはCDの音よりも音の角の取れた軟らかい表現になりやすくなっています。特にアコースティックな楽器では楽器本来の滑らかで軟らかな音を表現するのはハイレゾ音源の方が適しています。

ただ、CDの方がリスナーが想像する「分かりやすい」音のイメージに、音を上手く丸めているとも言える部分がありますので、どちらを良い音と感じるかはやはり音楽を聴く人の耳に依存する部分があります。

単に音の善し悪しだけで考えるならばハイレゾ音源の方が上になりますが、それをどう感じるかは人それぞれの部分があります。



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MP3とハイレゾ音源の比較

MP3はロスあり圧縮方式の中ではかなり古い方式になるため、同程度のビットレートでもAACなどのより新しい方式よりも音質面では若干劣ります。

このためハイレゾ音源とに比較では一番差を感じ取りやすい音源ということは出来ます。

ハイレゾ音源の比較・試聴の出来るサイトは?

MP3などのロスありの圧縮音源ではビットレートが落ちてくると、音の鮮度が落ちるイメージでシャキッとした感じが失われてきます。「ヌケが悪い」と表現される方もいらっしゃいますが、まさにそんな感じの音になります。

画像的に表現すると、もやがかかってコントラストの低い写真を見るような、そんな感じの音になります。

ただビットレートが十分にある場合には、結果的にメインの音の明瞭度が強調されるような圧縮が行なわれるため、こちらも「分かりやすい」音にはなるかもしれません。

まとめ

  • ハイレゾ音源のフォーマット間の違いを試せる2Lの試聴データ
  • SACDと比較する場合には音源データの比較よりもプレイヤー間の相違のチェックに
  • DSD対PCMでは、DSDがアナログ的、PCMはデジタル的
  • CDとハイレゾ音源ではマスタリングの違いの影響の方が大きい
  • MP3とハイレゾ音源は、恐らく一番違いが分かりやすいデータ

ハイレゾ音源とその他の音源との比較、試聴に関してまとめてみるとこんな感じになるでしょうか。

特にハイレゾ音源のフォーマット間の差をチェックしようと思うと、そのデータを提供してくれるサイト自体が貴重で、ほぼ2Lのデータを使う方法一択になると思われます。

SACDとの比較では、音源データそのものよりもプレイヤー間の音の比較になりやすく、CDとの比較ではマスタリングの違いの影響の方が大きくなりがちです。

一見簡単に思えそうな試聴での音の比較も簡単にはいかない部分があるのは間違いがなさそうです。

★各音源の違いに関してもっと知りたい方へ
音源の違いについては下記の記事で詳しく紹介しています。興味のある方は参考にしてみて下さい。
ハイレゾ音源とMP3、SACD、PCMの音質の違い



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