ハイレゾ音楽配信サイトの今をご紹介!
ハイレゾ音源の知名度もかなり高まってきて、ハイレゾ音源対応の音楽配信サービスの利用も増えているのだと思います。
大手の音楽のダウンロード販売サイトでは、年間のダウンロード販売の売り上げ上位にハイレゾ音源版の楽曲が食い込むなど、買い取り型の音楽配信でのハイレゾ音源の存在感がかなり大きくなっているのは間違いはないようです。
ただ、今現在、聴かれている曲の数で考えれば音楽配信の主流は、販売サイトよりもむしろ定額制のストリーミング配信サイトの方になるでしょう。
そういった中、一部の音楽のダウンロード販売サイトでは営業を停止するところも現れ、このサービスでも目に見える形で淘汰が始まっているようです。
今回は以下の観点から音楽配信サイトの今現在の状況をとりあげてみます。
- ハイレゾ音源の配信サイトいろいろ
- ハイレゾ対応の定額制サービスは?
- 無償で利用可能なハイレゾ配信
- ビクターはハイレゾ音源のダウンロード販売サービスを停止
- ハイレゾ音源配信サービスの料金に関して
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ハイレゾ音源の配信サイト
ハイレゾ音源の音楽配信サービスとしては、今まではダウンロード販売を行なうサイトだけが存在していました。
e-onkyo、mora、OTOTOYなどの楽曲を買い切るタイプのサービスですね。
また、ストリーミング配信型の毎月定額料金で利用できる音楽聴き放題のサービスに関しては、従来は非ハイレゾのロスあり圧縮の音源を利用するタイプのサービスばかりでした。
この流れが少しずつ変化し始めています。
冒頭に書きましたように、ダウンロード販売型のサイトの中には、遂にサービスの終了をアナウンスしたところが現れました。販売サイトの中でも勝ち組・負け組の明暗が生まれ始めた形かもしれません。
また、ストリーミング配信型のサービスにもハイレゾ音源対応を始めるサービスが出現しています。
従来はデータ量の大きさから、ストリーミングでは配信が難しかったハイレゾ音源にどう対応するのかも興味を引かれる部分です。
ハイレゾ音源の配信サービスで定額制のものは?
ハイレゾ音源のストリーミングでの配信サービスを行なっているところは出現し始めているのですが、月額料金定額制での聴き放題サービスは2017年6月末現在まだ出現していません。
IIJの「PrimeSeat」のサービスがハイレゾでのストリーミング配信を始めているのですが、曲や番組単位での料金支払いの形を取っていて、毎月定額の利用料で聴き放題となるサービスではありません。
PrimeSeatでは、利用料金に「0円」と表示されているコンテンツは、会員以外でも無償で利用が出来るようです。
ただ、こちらのサービスはDSD形式での音楽配信です。本来の音質で聴くためにはDSD形式にネイティブ対応するDACが必要になります。
一応この部分に関しては回避する道も用意されていて、専用アプリはDSD形式をPCM形式に変換しながらの再生にも対応していますので、PCM対応のDACでもこちらのサービスを十分に楽しむことは可能になっています。
MQA形式でもハイレゾ音源のデータのサイズをかなり小さくまとめることが可能になりますので、もしこれからハイレゾ音源のストリーミング配信サービスが始まるとしたら、MQAを使う可能性が高いと著者は睨んでいます。
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ハイレゾ音源の配信を無料で行なってくれるサイトはある?
前の章で触れたIIJのPrimeSeatの無償公開の番組は、会員登録など無しに誰でも無料でお試しが出来ます。ただし、専用アプリのインストールが必要です。
その他のダウンロード型の配信サイトの中では、試聴用データとしていくつかの楽曲を準備してくれているサイトがあります。
ただ、あくまでも「試聴用」のデータになっていますので、楽曲の頭から終わりまで全てが収録されていなかったり、配信されている曲数にも限りがあるケースばかりです。
利用する際にはこの部分は理解しておく必要があります。
そんな中では最も多くの楽曲をたくさんのフォーマットで公開してくれているのが「2L」のサンプル楽曲のページです。
最初のお試しにはこの手のサンプルサイトを活用してみると良いでしょう。その後は各種ダウンロード販売サイトから楽曲を購入する、と言うのが今のハイレゾ音源の利用のパターンになります。
『ハイレゾ音源の無料サンプルダウンロード先一覧』の記事で、ハイレゾ音源のサンプルを無償でダウンロードできるサイトをまとめています。
ハイレゾ音源の配信サービスをビクターが停止
ハイレゾ音源のダウンロード販売サイトの方では遂に淘汰も始まっています。
e-onkyo、moraなどはかなり順調に見えますが、「VICTOR STUDIO HD-Music.」は2017年5月31日をもってサービスを終了しています。
販売されていた楽曲はDRMフリーの楽曲でしたから、サービス終了後の利用には何も問題はありませんが、いよいよ振り落とされるサービスも出始めたか、という印象を強く受ける形になりました。
また、こだわりのスピーカーなどを製造・販売しているクリプトンが行なってきたサービスの、HQM Storeもサービスを終了することを発表しています。
こちらも取り扱っていた楽曲は全てDRMフリーですので、サービス終了後の利用には何も問題はありません。
こちらは営業面での問題よりもトレンドをリードする意味での役割が終わった、とのプレスリリースが行なわれていました。そういう観点では確かにクリプトンらしい引き際だったと思います。
そのプレスリリースの内容からすると、もしかすると別の形、例えばMQA形式のハイレゾ音源のストリーミングによる定額制サービスを開始するようなケースは考えられるかもしれません。
ハイレゾ音源配信サイトの価格面のお話
ダウンロード販売型のハイレゾ音源の配信サービスでは、ハイレゾ音源版の楽曲の提供価格に特に変化はありません。やはりプレミア的価格が付けられていて、CDクオリティの圧縮音源よりも何割か高い価格での販売が行なわれています。
アルバム収録曲であればアルバム単位での購入にすると、まとめ買い分の割引率は圧縮音源よりも高めで、一般のお店でCDを購入するのとほぼ同レベルのお値段でハイレゾ版のアルバムの楽曲データを購入することが出来ます。
CDの実物、ジャケット等がないことと、音質とのどちらを取るかのトレードオフのような形でしょうか。
SACD化されているアルバム以外、実物との比較になるものがないため、価格のイメージは逆に難しいのかもしれませんね。
まとめ
- ハイレゾ音源の買い切りタイプのサイトは淘汰が始まる
- ハイレゾ対応のストリーミングサービスも開始
- 定額制の音楽聴き放題サービスではハイレゾ対応はまだ
- 無償で提供されるハイレゾ音源はあくまで「試聴用」
- ハイレゾ音源の価格面の変化は今年もなし
ハイレゾ音源の配信サービス関連の状況をまとめると以上のようになります。
やはりハイレゾ音源のデータサイズの大きさがネックになるようで、なかなかストリーミング型のサービスが立ち上がってきません。定額型のサービスもまだ出現しません。
そんな中、売り切り・ダウンロード型のハイレゾ音源の配信サービスでは、遂に淘汰が始まりました。
上位のe-onkyoやmoraなどは比較的好調に見えますが、その他のサイトでは生き残りが大変になってきているのかもしれません。
今までは「ハイレゾ」という名前の珍しさだけである程度ものが動く状況があったと思われますが、そういった一時的なものはそろそろ収まり、これからが本当の意味での普及への大事な時期になっていくのかもしれません。
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