ハイレゾ対応のカーオーディオ製品、おすすめ4機種
クルマのオーディオにもこだわりを持って追及する人がたくさんいます。
クルマが趣味の人や仕事で使う人などは、クルマの中で過ごす時間がかなり長くなるでしょうから、そのスペースでのBGMにもこだわりたくなるのは自然の流れだと思います。
実際、非常に音質にとてもこだわった作りのカーオーディオ製品もたくさん発売されています。
そんなカーオーディオの中でもハイレゾ対応の製品についてご紹介します。
JVCケンウッド「彩速ナビ」
JVCケンウッドの発売しているカーナビの中では「彩速ナビ」のハイエンドモデルがハイレゾ音源に対応しています。モデルの型番は、MDV-Z702とMDV-Z702W。
基本的に両モデルは同じ中身ですが、カーナビを取り付けるクルマ側のダッシュボードのスペースによって、通常のサイズ対応のMDV-Z702と、200mm幅のワイド対応のMDV-Z702Wとなります。
ハイレゾ音源関連の仕様では、ファイル形式はFLACに対応。
サンプリングレートは24bit/96kHzまでのデータに対応しています。
使われているパーツも厳選されたものが採用されていて、基本的なオーディオの特性もかなり高くなっているようです。
クルマの中という限定された空間で音楽らしい響きを演出するためのDSPも搭載しています。
カーナビとしても、各種処理のためにかなりパワーのあるCPUなどを搭載し、ハイエンドモデルにふさわしいレスポンスの優れた操作性を実現しています。
⇒ケンウッド(KENWOOD) カーナビ 彩速ナビ MDV-Z702
⇒ケンウッド(KENWOOD) カーナビ 彩速ナビ MDV-Z702W
三菱電機「DIATONE SOUND.NAVI」
三菱電機のカーナビのハイエンドモデル2機種がハイレゾ音源に対応しています。
これらのナビには、三菱電機の伝統のオーディオのブランド名である「DIATONE」の名前が付けられていることも、三菱電機のこの機種に対する自信が見えるようです。
ハイレゾ音源に対応するモデルの型番はNR-MZ100PREMIとNR-MZ100です。
基本的には同様の機能・性能を持つ2機種ですが、NR-MZ100PREMIのほうは、マルチアンプとブルーレイディスク再生にも対応します。
こちらの機種でもやはり車内という独特の空間で、それぞれの座席の人に適切な音の空間を提供できるよう、いろいろな工夫が盛り込まれています。
ハイレゾ音源は、24bit/192kHzのFLAC形式、24bit/96kHzのWAV形式に対応します。ただしこれらのカーナビでは、サンプリング周波数のみ44.1kHzにダウンサンプリングが行なわれ、24bit/44.1kHzでの再生となります。
カーナビとしては、コントロールのためのCPUにクアッドコア(4コア)CPUがおごられるなど、優れたレスポンス、機能を実現するために抜かりのないシステムとなっているようです。
⇒三菱電機「DIATONE SOUND.NAVI」 NR-MZ100PREMI
⇒三菱電機「DIATONE SOUND.NAVI」 NR-MZ100
SONY RSX-GS9
海外ではソニーもハイレゾ対応のカーオーディオ単体製品を発売しています。
多機能なUSB DACやUSB DAC内蔵プリアンプといった機能を持つ機種で、カーオーディオでは「ヘッドユニット」と呼ばれる製品です。
型番は見出しの通りRSX GS9。PCM形式のハイレゾ音源に対応し、加えて最近注目を集めているDSD音源にも対応します。
CDやDVDディスクのプレイヤーはもたず、USB端子に接続したUSBメモリなどからハイレゾ音源ファイルを再生することにほぼ特化した機種となっています。
かなり凝った構成のシステムのようなのですが、残念ながら今はSONY製のカーオーディオ製品は国内で販売されておらず、この製品は日本国内では販売されていません。
日本での展開も期待される製品です。
オーディオ的にはかなり特殊なクルマの中の空間
クルマの中というのはオーディオ的にはかなり特殊な空間です。
座席のクッションは音を吸収してしまいますし、フロアやガラスなどは音をまともに反射します。
スピーカーがおける場所にも限りがありますし、十分な容積を持ったスピーカーボックスを設置するスペースもありません。
また、基本的に密閉された空間でかなり小さなスペースです。
相対的にスピーカーとの距離も近くなりますから、着座位置によって聞こえる音楽も大きく変わる可能性があるでしょう。
そのような特殊な環境の中でもいい音で音楽を聴けるよう、メーカーでは様々なカーオーディオ独特の工夫を施すことで、決してオーディオ的によいスペースではないクルマの中の空間のハンデを克服しようとしています。
このようなカーオーディオにこだわる人たちがより良い音を求めて、ハイレゾ音源に興味を持つのも自然な流れなのかもしれません。
それに応える形でいくつかのメーカーがハイレゾ音源対応のカーオーディオ製品を発売しています。
ただ、ほかのオーディオ製品に比べるとカーオーディオのハイレゾ音源対応は、ペースがゆっくりのように感じられます。
まだ限られた製品のみの対応にとどまっています。
クルマは走行中は自身の出す騒音がありますので、トータルで見た時のS/N比という観点ではどうしても厳しい部分があります。
このようなカーオーディオの特殊な環境がネックになって、ハイレゾの良さが活きないとメーカでも考えているのかもしれません。
ただ、ハイレゾ音源の良さの一つは、普通のボリュームの普通に耳に聞こえる範囲の音もとても丁寧に描くことができることですから、そちらの意味では、走行中の車の中でもハイレゾ音源を再生する価値はありそうに思います。
今後、カーオーディオ製品でもハイレゾ音源対応の動きは広がっていくのではないかと思います。
今は、カーオーディオのみの機能を持つ製品はわずかになって基本的にはカーナビと融合した製品が多くなっていますので、取り上げるのもカーナビがメインとなります。
その他のクルマの中でハイレゾ音源を楽しむ方法
お手元のカーオーディオ、カーナビに補助入力端子があるのでしたら、そこにハイレゾ対応の携帯音楽プレイヤーやスマートフォン、場合によってはパソコンを接続してやることで、クルマの中でもハイレゾ音源を楽しむことが出来ます。
ハイレゾ音源対応をうたっていないシステムでは、再生帯域でハイレゾ音源に対応は出来ませんし、走行中のクルマの中では走行ノイズに埋もれてハイレゾ音源で拾える微少な音に関しても聞き取ることは難しくなります。
ですが、ハイレゾ音源の普通の音の大きさで普通に耳に聞き取れる範囲の音も丁寧に描くことが出来る特性は、どのようなオーディオシステムにもメリットが出てくる部分です。