ハイブリッド型イヤフォンの価格破壊機種か?台湾DUNU製品が面白い
数年前からポータブルオーディオのジャンルが元気です。それに引っ張られる形で、据え置き型のオーディオ製品も見直されるほどに。そして、そこに上手いタイミングでハイレゾ音源が登場することで、その流れが加速している感もあります。
ポータブルオーディオの世界では、高音質の携帯型プレイヤーやポータブルアンプ、そして高級・高音質ヘッドフォン、イヤフォンがどんどん製品化されある程度の数製品が出ていく状況が続いています。
そんな流れの中で、従来の定番オーディオ機器メーカー以外もとても興味深く、かつ、音の面でも優れた製品を登場させています。そういった、今までノーマークと言って良かったようなメーカーの一つが台湾のDUNUです。
今回はこのメーカーが製品化した「ハイブリッド型」のイヤフォンをご紹介します。
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イヤフォンの「ハイブリッド型」とは
イヤフォンの世界におけるハイブリッド型は、「ダイナミック型」と「バランスド・アーマチュア型(BA)」と呼ばれる2つの形式の音を出すユニットを組み合わせたタイプの製品です。
ダイナミック型は従来からあるタイプのパーツで、スピーカーのサイズをそのまま小型化したような形の丸い振動板を持つユニットです。低音の量感の表現や、音の広がる空間の表現を得意としています。
BA型は、元々は補聴器に使われてきたタイプの装置で、小さく薄い金属片を振動させることで音を出します。高い音の再生や繊細な音の表現が得意で、とても解像度の高い音を出します。
ダイナミック型は高音の表現や解像感の高さの表現は若干苦手、BA型は低音の量感を出しにくい、といった弱点を持っていますが、ハイブリッド型では両方を組み合わせることで弱点を補いつつ、両方のユニットの得意ジャンルをうまく活かそうという発想で作られています。
ただ、ダイナミック型とBA型とでは音色の特徴などが全く異なります。このあたりの調整を行なうのが非常に難しく、ハイブリッド型できちんと統一感のあるつながりの良い音を出せる製品はなかなか生まれてこなかったようです。
また、きちんとした製品が登場したときには、価格は非常に高価なものでした。
そんな市場に殴り込みをかけたのがDUNU
そういったハイブリッド型イヤフォンの市場に殴り込みをかける形になったのが、DUNUのDN-10000というイヤフォンです。ダイナミック型とBA型のドライバーを1つずつ搭載して、10万円以上する他社のイヤフォンに迫る音を2万円台で実現してしまいました。
まさに価格破壊的製品だったわけです。
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DUNUの最新作DN-2002
そんなDUNU社の最新作で、同社のフラッグシップモデルとなるイヤフォンがDN-2002です。この製品は、ダイナミック型ドライバーを2つ、BA型ドライバーを2つ搭載しています。
恐らく他社であれば10万円を軽く超えるような構成となるイヤフォンですが、DUNUはDN-2002を5万円程度で市場に投入しています。
音の方もかなりすごいものとなっているようで、特に低音の表現は他のイヤフォンにはないものとなっているようです。量感もあり低音ながらレスポンスも良く、かつ他の音の表現を邪魔しない、極めて質の良い低域の表現が出来るイヤフォンになっているようです。
音楽のバランスはしっかりした低音の再生によって中高音も支えられる形になりますが、中音域、高音域もしっかりとした再生を出来る力があって初めてそれが活かされます。
DN-2002では2基搭載されたBA型ドライバーがしっかりといい仕事をして、ただ低音だけが膨らむようなバランスの悪い音にはなっていません。
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どこからすごい製品が飛び出すか分からない楽しい状況
高級オーディオ製品では大量生産が難しくスケールメリットが出せない規模のメーカーでも、しっかりした製品を作り込んでかつ採算ラインに乗せられるようなコスト構造になっているのかもしれません。今まで名前も知らないようなメーカー、ブランドから、非常に優れた製品がどんどん出てきます。
DUNUもそんなメーカーの一つで、DN-10000が知られるまでは全くノーマークと言って良かったと思います。
そんなメーカーからも個性あふれる優れた製品が飛び出してくるのですから、オーディオを巡る環境は、今、とても楽しい状況を迎えていると言えるのではないでしょうか。
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