ハイレゾの定義!日本オーディオ協会とJEITA

機材が「ハイレゾ対応」と名乗りハイレゾロゴを使用するためには、実は明快な定義があります

音源データの方も所定の基準を満たしていなければ、ハイレゾを名乗ることは出来なくなっています。

今回はこの基準について、もう一度確認してみましょう。

  • 日本オーディオ協会によるハイレゾの定義
  • JEITAによるハイレゾの定義
  • スピーカーのハイレゾ対応状況
  • 音源側のハイレゾ対応


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ハイレゾの定義、日本オーディオ協会によるもの

ハイレゾ対応を名乗るための基準作りは、日本では、日本オーディオ協会とJEITAが行なっています。

ハイレゾの定義!日本オーディオ協会とJEITA

どちらもかなり明快で定量的な基準が定められていますが、日本オーディオ協会によるものの方がより実際のオーディオ機器の特性に即した基準になっています。

その基準は実は割と簡単です。

イヤフォン、ヘッドフォン、アンプのアナログ部分など、アナログ信号がかかわる部分に関しては、

「再生周波数帯域が40kHz以上まで伸びていること」

基本的には、この1点だけになります。

デジタルがかかわる部分に関しては、

「24bit/96kHz以上のデジタルデータを扱うことが出来ること」

が基準です。

データのフォーマットはFLACまたはWAV形式のみが規定されています。その他のハイレゾ音源に対応可能な形式のALACなどは今のところ含まれていません。

また、SACDやDSD形式の音源データは、日本オーディオ協会側では定義に載せていないようです。

機材の実際の音に関しては、メーカーがきちんと評価を行なっていて、「いい音」を出せる機材であればハイレゾ対応を名乗れることになっています。

ハイレゾの定義、JEITAによるもの

JEITA(電子情報技術産業協会)による定義は、もっとコンピュータ的と言いますか、オーディオのデジタルデータ処理部分のスペックに限定した形で定義が行なわれています。

ハイレゾの定義!日本オーディオ協会とJEITA

こちらも基本線はとても単純です。

「CDやDATなどのCDスペックを超えるデジタルオーディオ」

これだけです。

こちらの定義ではより具体的なサンプリングレートが明示されていて、24bit/48kHzのデータはハイレゾ12bit/96kHzのデータは非ハイレゾ、という扱いになります。

また、JEITAの基準ではDSD形式やSACDの1bitオーディオもしっかりと定義が行なわれていて、現在ハイレゾ音源として販売されているデータ、SACDで使われている1bit/2.8MHz以上のデータは全てハイレゾを名乗れることになっています。



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ハイレゾの定義から見るスピーカの対応

日本オーディオ協会とJEITAのハイレゾの定義から考えると、スピーカーは基本的に全てアナログ信号のみを扱う機材です。

このため、JEITA側の定義がスピーカーのハイレゾ対応に関係することはなく、日本オーディオ協会側の定義が適用されることになります。

アナログ機器に関してハイレゾ対応の基準は、高い側の再生範囲が40kHzを超えることだけです。あとはしっかりとした再生を行なう能力が備わっていればOK。

と言うことで、ハイレゾ対応スピーカーの多くは高域側の再生周波数を伸ばすために、「スーパーツイーター」と呼ばれるようなタイプの高音側を担当するスピーカーユニットを採用しています。

スピーカーのサイズになると、1発のユニットでこれだけ広い音の範囲をカバーすることは出来ず、複数のスピーカーユニットの組み合わせで広い音域をカバーします。

それぞれのスピーカーユニットの担当する音の範囲の境目で上手く音のつながりを出せるかどうかが、メーカー側のエンジニアの腕の見せ所の一つとなります。

ハイレゾ対応スピーカーでは、高音側の音の範囲を大きく広げなければなりませんから、音をつなぐポイントも移動させるケースがあり、この辺りのチューニングが面白い部分になっています。

ハイレゾの定義で考える音源

ハイレゾの定義!日本オーディオ協会とJEITA

音源データに関しては日本オーディオ協会側とJEITA側では微妙に定義に差があります。

現在全ての音楽のダウンロード販売サイトでは24bit/48kHzサンプリングのデータは、ハイレゾ音源として販売されています。

これはJEITAの定義ならば間違いなくハイレゾ音源ですが、日本オーディオ協会側の定義を厳密に適用するならば、ハイレゾ音源の条件を満たさないデータになります。

ただ、実際に音を聴く際には再現可能な周波数範囲の高域側の広さよりも、普通の可聴帯域内を丁寧に描ける高量子化ビット数の方が聞こえ具合に直結しやすいと思います。

と言う観点では、24bit/48kHzもハイレゾ音源と呼んで問題ないだろうと思います。

まとめ

  • 日本オーディオ協会の定義では基本は音が良く再生範囲が40kHzをカバーできること
  • JEITAの定義では概ね24bit/48kHz以上の音のクオリティを持つこと
  • スピーカーは「スーパーツイーター」などで対応
  • 音源データは24bit/48kHz以上のものがハイレゾ音源として流通

ハイレゾに関する定義に関連する事項をまとめると、だいたいこのような形になります。

日本オーディオ協会側とJEITAの定義には若干ズレはあって、その部分を厳密に考えると24bit/48kHzサンプリングの音源データはハイレゾ音源と呼べるのか?という微妙な部分は残ります。

ただ、一番の基本線はCDクオリティの音質を超える音をハイレゾと呼ぼう、というところにあると思いますので、実際に音を聴く際などにはその線を基準にして考えるのが妥当でしょう。



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