ハイレゾ音源とはなんぞや?さまざまな部分をもう一度確認!
「ハイレゾ音源」とは何か?
ハイレゾという言葉が世に出たときには定義にかなり曖昧な部分を残す概念でした。
今はそのあたりもしっかりとした定義、線引きが出来、機材がハイレゾ対応を名乗る基準もキッチリと確定しています。
そんなハイレゾの定義などの情報を今一度確認してみましょう。
- 今一度「ハイレゾ音源とは?」
- ハイレゾ音源のフォーマット
- ハイレゾ音源の容量、サイズ
- ハイレゾ音源のダウンロード販売サイトと入手方法
- ハイレゾ音源の価格帯
- ハイレゾ音源に対する著者の雑感
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ハイレゾ音源とは?
「ハイレゾ」音源として販売が始まった当初は、そもそもハイレゾ音源が何かと言うことに関する厳密な定義が存在していませんでした。
サンプリングレートがCDやDATのそれを超えるもの、程度のかなり曖昧な基準で「ハイレゾ」と命名されていたイメージです。
ハイレゾ音源の普及が少しずつ進むに従って明確な基準を設けようとの動きが出始め、日本オーディオ協会とJEITAがとても具体的な基準のラインを策定しました。
これにより色々な面でモヤモヤした状況はかなり改善した形になっています。
音源データに関して言うと、それぞれ以下のような定義を行なっています。
日本オーディオ協会は、PCM形式の24bit/96kHz以上のサンプリングレートを持つ音源データをハイレゾと定義しています。
音源データと同様にデジタルデータを扱うオーディオ機器にもこの基準が適用されます。
これに対しJEITAでは、CDを超えるサンプリングレートを持つ音源をハイレゾと定義していて、JEITAの定義では24bit/48kHzのサンプリングレートの音源データもハイレゾを名乗れる形になります。
またDSD音源も正式にハイレゾの仲間として定義しています。
日本オーディオ協会側の定義にはDSD音源が含まれておらず、PCM形式のサンプリングレートに関してはJEITAのほうが若干基準が甘くなっています。
ハイレゾ音源のダウンロード販売サイトでは24bit/48kHzのデータはハイレゾ扱いとなっていますので、JEITAの基準を採用している形です。
ハイレゾ音源の形式
ハイレゾ音源の形式、フォーマットという観点では主に2つの基準があります。
一つはデータを収めているファイルや圧縮形式。
もう一つはデジタルデータ化するための方式を表すものです。
一つ目に相当するものとしては、ファイル形式のFLAC、WAV、ALACなどが挙げられるでしょう。
FLACはオープン規格のファイル形式+圧縮方式をまとめて定義したもので、ハイレゾ音源のサンプリングレートへの対応と「ロス無し圧縮」を利用可能なフォーマットです。
WAV形式は実はファイルの入れ物の形式だけを指定するもので、中身には圧縮音源でも非圧縮の音源でもかなり自由に収めることが可能です。
ですが、ハイレゾ音源の世界ではWAV形式というと、無圧縮のPCM音源のことを表すケースがほとんどです。
ALACはAppleが制定した独自のハイレゾ対応のフォーマットで、ほぼFLACと同様の使い方が可能です。
やはりロス無し圧縮を採用しています。
ここまでの音源のフォーマットでは、音のデジタル化の際に「PCM」という方式を使っています。
これに対しSACDでも使われるDSD形式の音源データは「PDM」という方式で音のアナログ量をデジタルデータ化します。
PDM方式ではPCM方式とは異なり、収録可能な周波数範囲の論理的な上限がほぼありません。
その代わり一般的にはデータのデコードがかなり重い処理になります。
ハイレゾ音源の容量
ハイレゾ音源は緻密な表現を可能にする分、データ量がどうしても膨らみます。
FLAC形式ではロス無し圧縮も可能ではありますが、圧縮率はMP3などのロスあり圧縮音源に比べると大幅に低く、良くて3割容量が減る程度です。
手元の24bit/96kHzサンプリングで6分57秒の楽曲は230MB容量があります。
スマートフォンやポータブルプレイヤーではかなりストレージを圧迫することになでしょう。
そういった機器をプレイヤーとして利用するには、大容量のSDカードなどが必須になると言っていいでしょう。
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ハイレゾ音源のダウンロード販売サイトと入手方法
今現在ハイレゾ音源と呼ばれるデータを購入する方法の主なものは、音楽のダウンロード販売サイトから曲やアルバムを買い切る形での購入になります。
DSD形式のデータがハイレゾ音源の一つとなっていますので、DSD形式の音源を最初から使用しているSACDもハイレゾ音源の媒体の一つです。
ですがSACD化された楽曲数が少なく、再生可能なプレイヤーも数が限られるます。
DVDディスクやBlurayディスクの音声をハイレゾクオリティで収録したディスクも存在しますが、こちらはSACD以上に数が少なくなっています。
このため現在のハイレゾ音源入手先のメインは、ネットの音楽のダウンロード販売サービスと言うことになる訳です。
日本で主なハイレゾ音源の入手元となる音楽のダウンロード販売サイトには、e-onkyo、mora、OTOTOY、mysoundの4つが主立ったサービスになると思います。
音楽のダウンロード販売サービスのうち、ビクターとクリプトンの運営するサイトは2017年中にサービスを終了しています。
『ハイレゾ配信サイト』という記事内で、当サイトが掲載した音源配信に関連する記事をまとめてあります。気になる方は参考にしてみて下さい。
ハイレゾ音源の価格帯
ハイレゾ音源の楽曲の販売価格は、CDクオリティ、ロスあり圧縮の音源に比べて高めの価格となっています。
1曲が400円から540円程度で販売されています。
AACなどのロスあり圧縮の楽曲データが216円前後での販売が多くなっていますので、1曲買いの場合にはある程度割高感があるかもしれません。
アルバム単位でのまとめ買いになると、ハイレゾ音源の方が高い割引率が設定されていますので、割高感は少し解消される形になります。
一般的にはハイレゾ音源をアルバム単位でまとめ買いすると、CDの実物をお店で購入するのとほぼ同じ価格帯に落ち着くようです。
ジャケットアートなどと音質面、どちらを優先するか、という比較になるのかもしれませんね。
ハイレゾ音源に対する著者の雑感
多数のハイレゾ版楽曲を聞き比べている訳ではないのですが、どの楽曲を聴いていても共通してあげられるハイレゾ版音源の特徴的なものとしては、かなりボリュームを上げても耳が痛くならない音、というものがあるように思います。
著者はイヤフォン、ヘッドフォン使用時でも音楽を聴く際のボリュームを大きくするのはとても苦手です。
通勤で電車を利用していた時期は、真っ先にノイズキャンセリングヘッドフォンに飛びつき、周囲の雑音の侵入を抑えて低いボリュームで音楽を聴ける環境を確保していました。
そんな著者でもハイレゾ音源の楽曲は、ボリュームをかなりのレベルまで上げても苦痛にならず、逆にむしろ周囲の環境さえ許せば思い切ってボリュームを上げて聴きたい音源になっています。
楽曲の聞こえ方の微妙な部分はユーザーそれぞれが使われているオーディオシステムに依存しますが、著者の手元のシステムでは、ハイレゾ版のボーカル曲では歌い手の口の動きが目の前にふわっと浮かぶような聞こえ方をすることが多くなっています。
ピアノの音はハンマーが弦を叩くときの音の立ち上がりのスピード感はしっかり出るのに、立ち上がる音の角は取れているように感じます。
そういった部分では、CDの音の方が音1つ1つのシャッキリ感のようなものは出せるかもしれません。
音のこのような部分の表現に関してどちらが好みかは、聴く人それぞれに依存する部分だと思いますけれども。
ただ、実際の生のピアノの音って恐ろしく滑らかな響きをしますよね。
生音基準でどちらが生の音に近いか、ならば多くのケースでハイレゾ音源が優れていると思いますが、それとどんな音が好きかとはまた別の問題になってくるのだと思います。
まとめ
- ハイレゾはデジタル的には24bit/48kHzのサンプリングレートが最低ライン
- DSD形式もハイレゾの仲間
- ファイル形式ではFLAC、WAV、ALACなど
- ハイレゾ音源データは情報量が多い分ファイルサイズも膨らむ
- ハイレゾ音源購入の主流はネットの音楽ダウンロード販売サービスから
- 価格は非ハイレゾより高め
- ハイレゾ音源を聴いた印象(著者主観)は、滑らかで耳に痛くない音
ハイレゾ音源に関する情報をいくつかの観点でまとめてみると以上のような形になります。
音源データのポテンシャルとしては、間違いなく非ハイレゾの音源よりも高いものがあります。
その分、データの扱いや販売価格の面などで「重い」部分もあり、ハイレゾの持つポテンシャルを求めるかどうかは、ユーザーそれぞれの判断に委ねられる部分でもあります。
ただ、売り上げデータを見る限り、ハイレゾの良さを感じるこだわりのユーザー層が増えていることは間違いなさそうです。
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