ハイレゾ対応カーナビのご紹介!2017年春版
元々のカーナビゲーションシステムというものは、本当に単なる自動でページめくりをしてくれる地図、的な機能の低い位置づけだったと思います。
GPSの精度が向上してマップマッチングのヒット率も極めて高くなり、ルート探索の能力・速度も上がって本当のナビゲーターになってくれました。
そして今ではカーオディオなどのエンターテインメント機能を大幅に取り入れることで、インフォテインメントシステムの重要な鍵にもなっています。
カーナビがエンターテインメント機能を取り入れていく中で、オーディオ機能の音質の向上も図られてきました。ユーザーの着座位置ごとの音質の最適化など、ハイエンド機種ではリビングで使うオーディオ機器にも負けないレベルの機能が盛り込まれています。
そんな中、カーナビの音楽再生機能でハイレゾ音源にタイプする機種も少しずつ現れ始めました。
元々が走行ノイズからは逃れられない、オーディオ的には難しい環境の車内でも、よりよい音で音楽を聴きたいというニーズはあるのだと思います。
今回は、ハイレゾ対応をうたう以下のカーナビをご紹介します。
- クラリオンはハイエンド機種が未対応。今のところはNX505のみ
- ケンウッドの彩速ナビ
- パナソニックのストラーダシリーズ
- パイオニアのサイバーナビ
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ハイレゾ音源対応カーナビ、クラリオンNX505
クラリオンのカーオーディオには非常にユニークなスピーカーシステムがあります。スピーカー駆動までデジタルプロセスで行なってしまう同社独自のシステムです。
カーナビのハイエンド機種にも採用されている機能ですが、残念ながら今のクラリオンのカーナビ上位機種はハイレゾ音源には対応していないようです。
クラリオンでは、製造がそろそろ終わったと思われるNX505という機種のみがハイレゾ音源再生に対応するようです。USBメモリに格納したFLAC形式の音源ファイルの再生に対応しています。
比較的安価な機種ながらハイレゾ音源の再生に対応していて、その点ではうれしいカーナビになっています。
⇒Amazon:NX505
ケンウッドのハイレゾ音源対応カーナビ、彩速ナビシリーズ
カーナビを製造販売しているブランドの中では、最も積極的にハイレゾ音源対応を行なっているのがケンウッドではないかと思います。
同社のカーナビの上位機種シリーズである「彩速ナビ」(MDV-Z904など)がハイレゾ音源の再生に対応しています。
最新の機種ではDSD音源にも対応。さすがにDSD形式ネイティブの再生ではなく、PCM変換を行ないながらの再生にはなりますが、11.2MHz/1bitまで対応するなどかなりの高スペックとなっています。
しかも心臓部となるDACには旭化成エレクトロニクスのAKM4490を搭載。本気の作り込み具合を見せています。
JVCビクター系列の強みを活かす形で、独自のアップサンプリング手法K2テクノロジーを採用して、CDや、圧縮音源のMP3などの再生の音質の改善も図っています。
⇒Amazon:彩速ナビ
カーナビのエンタメ機能で限定的にハイレゾ対応。パナソニックのストラーダシリーズ
パナソニックのストラーダシリーズは現時点では限定的にハイレゾ音源に対応しています。
バーブラウンの量子化ビット数32bitまでに対応できるDACチップを採用するなど、音作りの面では極めて真面目に取り組んだシステムになっているようですが、残念ながらFLAC形式やWAV形式のハイレゾ音源データ(ファイル)の再生に対応していません。
ストラーダシリーズで再生可能なハイレゾ音源は、音声をハイレゾ収録したBlue-rayディスクの音声のみとなっています。
ただ、こちらの音声の対応範囲はかなり本格的で、しっかりと24bit/192kHzのサンプリングレートまで対応できる作りになっています。
ハイレゾ相当で音声データを記録したマルチチャンネルのBlue-rayディスクの再生も可能ですが、その場合には音声はサンプリング周波数を48kHzにダウンコンバートした形での再生になるようです。
⇒Amazon:ストラーダ
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パイオニアのカーナビはハイレゾ音源をダウンサンプリング再生
パイオニアのカーナビでは、サイバーナビがハイレゾ音源に対応しています。
ただ、こちらも対応のレベルが限定的になっていて、再生の際には恐らくCDクオリティレベルのデータにダウンサンプリングされての再生になります。
対応するファイル形式の方はかなり幅広く、WMA、MP3、AAC、WAV、FLACに対応しています。
このうち、WAV、FLACの24bit/192kHzまでの再生が可能です。16bit/48kHzサンプリングに変換しての再生になると思われます。
音質面にはやはりかなりのこだわりを持った作り込みが行なわれていますが、どちらかというと自動車の中という独特の環境から来る制約を打ち破ろうとする方向性の作り込みのようです。
まとめ
- デジタル駆動スピーカーのクラリオンはハイエンド機種が未対応
- ケンウッドが一番カーナビのハイレゾ対応に本気
- パナソニックも音作りにはこだわりを見せるも、ハイレゾ対応はBlu-rayディスクのみ
- パイオニアのサイバーナビはハイレゾファイルを再生可能なものの、ダウンサンプリングで対応
現時点での日本のメーカーのカーナビのハイレゾ音源対応をまとめるとこんな形になります。
やはり車内のロードノイズというオーディオに関してはとても大きな「敵」が存在するせいか、他のオーディオジャンルに比べハイレゾ対応が大きく遅れている印象です。
そんな中でもケンウッドの「本気っぷり」が目立つ対応内容になっている印象ですね。さすがに著者もカーナビに旭化成エレクトロニクスのハイエンドクラスのDACを搭載しているとは予想しませんでした。
ただ自動車という存在はちょっと難しいところもあります。
ただの移動の道具と考えると走行音やエンジン音は「ノイズ」ですが、自動車自体も趣味の対象になり得るものです。
強力なノイズキャンセル機能を作り込めば走行音などを大きく低減できるでしょうが、そうなると今度は安全面での問題も出そうです。
そのあたりのバランスも考えつつ、メーカーそれぞれの思想が現れてくるところかもしれません。
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