【ハイレゾ音源】DSD形式、FLAC形式との違いとは??
ハイレゾ音源のダウンロード販売が始まる中で、DSD形式の音源データの配信は少し遅れて立ち上がっています。
まだまだDSD形式を選べる楽曲は少なく、一見新しいフォーマットのようにも見えます。
ですが、DSD形式形式のファイルのルーツをたどると、実はDSD形式こそがハイレゾ音源の最も古いもの、と言うことが出来ることが分かります。
新しいようで実は最古参かもしれないハイレゾ音源。
最近再び注目を集める、DSD形式のハイレゾ音源について説明していきます。
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新しいようでハイレゾ音源としては先輩格のDSD形式
DSD形式はSACD企画時に作られたフォーマットです。
実はハイレゾ音源としては古参で、音質面も非常に高いものがあります。
- SACDのデータ形式がルーツ
- デジタル化方式からして別物
- ハイレゾ音源のダウンロード販売では後発
- 配信されている楽曲数はまだ少なめ
- 無料のお試しデータも
DSD形式のハイレゾ音源にはこのような特徴、状況があります。
以下でそれぞれの項目についてより詳しく掘り下げていきましょう。
DSDのルーツはSACD
DSD形式のファイルは「SACD(Super Audio CD)」で使われてきた形式です。
このDSDとは「Direct Stream Digital」の略です。
SACDを規格化する段階で、開発を行ったソニーとフィリップスにより命名されました。
SACDは従来のCDの音質面の限界が思いの外低かったことが分かり始めた時点で、次世代のデジタルオーディオメディアとして企画されたものです。
CDのような光ディスクで通常の店舗での販売も行われています。
ですが、SACDプレイヤーはかなり高価でした。
また多くのユーザーはCDレベルの音で満足して、さらに上を目指す人が非常に少なかったこともありました。
結果CDのように一般的に普及するまでは至りませんでした。
今もSACDもSACDプレイヤーも開発・販売が行われていますが、かなりの高級オーディオに限定されているイメージです。
音の面ではCDよりもずっと高い音質を実現し、「アナログ的」とも評される心地よい音の再生が可能です。
DSD形式は1bitオーディオとも呼ばれ、音楽的には元々とても適した方式です。
フラットな音響特性にはならないのですが、原理的に100kHzの音の成分にも対応可能になっています。
FLACとの違い。DSDはデジタル変換方式から根本的に別物
DSD形式はFLACなどのハイレゾ音源データとは、音楽信号をデジタル化する方式自体から全く別物となっています。
FLACなどはPCM(Pulse Code Modulation:パルス符号変調)と言われる方式を採用しています。
これに対し、DSD形式ではPDM(Pulse Density Modulation:パルス密度変調)という方式を取っています。
DSDではFLACなどのデータよりも、同レベルの音質であればデータ量がずっと小さくてすむメリットがあります。
また、再現される音はアナログ的とも評され、滑らかで空気感の再現に優れた音になっています。
その代わり、パソコンなどのデジタル機器でDSD形式のデータをアナログ信号に復元する処理は非常に重くなっています。
SACD再生に対応していた初期のPlayStation3では、7つあるサブプロセッサをフル稼働させないと再生が行えないレベルの処理になっていました。
この事実が処理の重さを象徴的に表していると思います。
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DSD形式のデータはダウンロード販売、配信用としては後発
当初ハイレゾ音源の再生に対応できるDACなどの機器で、DSD形式に対応するものはあまりありませんでした。
そのような事情もあり、ハイレゾ音源のダウンロード販売や配信サービスなどではFLACなどのPCM形式のデータが先行しました。
その後、DSD形式の音源の音の良さが再度注目を集め始めます。
その結果、大手のハイレゾ音源のダウンロード販売サービスでもDSD形式の配信を開始するようになりました。
DACのほうも生のDSD形式をそのまま再生可能な機器が増え始め、DSD形式のハイレゾ音源を再生する環境も整いつつあります。
ウォークマンなどのポータブルプレイヤーでも、DSD形式の再生に対応する機器が増えています。
ポータブルプレイヤーでは、DSD形式の音質に対してファイルサイズを小さく出来るメリットが大きく活きる形になるでしょう。
まだまだ少ないDSD形式でのハイレゾ音源販売
ただ、まだハイレゾ音源のダウンロード販売サービスでは、DSD形式のファイルは立ち上がったばかりです。
FLAC形式で販売される音源と比べると、まだまだ数が少ないのが実情です。
加えて、マスター音源がDSD形式でレコーディングされたものも多くはありません。
DSD形式本来の音の良さをフルに活かせる音源データは本当に限られているのが現実でしょう。
無料でお試し可能なDSD音源データ
再生する環境を選びますが、無料でお試し可能なDSD音源のデータを配信してくれているサイトもあります。
北欧のアルバムのレーベルである「2L」という会社が、数多くの音源を多彩な形式で無償公開してくれています。
まずはこちらでDSD形式の音源のお試しをするのも良いと思います。
まとめ
- DSD形式のハイレゾ音源はSACD生まれ
- DSD形式はデジタル化する方法から別物でアナログ的な音
- DSD形式ファイルのダウンロード販売は始まったばかりで楽曲数は少なめ
- 無料のお試し用データもあり
DSD形式のハイレゾ音源は、再生のための敷居がFLAC形式などよりも少しばかり高いため、普及にはもう少し時間がかかるかもしれません。
ですが、音質には間違いなく非常に高いものがありますので、SACDと同様に確実に支持する層は広がっていくものと思います。
FLAC形式を超えるかもしれない音質にチャレンジしてみたい方は、DSD形式の音源の再生にもトライしてみる価値はあるでしょう。
再生のための環境作りはちょっぴり大変ですが、それでもその敷居はどんどん下がっています。
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