ハイレゾ対応ヘッドホンのおすすめ機種は?
最近登場するイヤホン・ヘッドホンの新機種では、ハイレゾ対応を名乗る機種の割合が増えてきています。
販売戦略上の意味もあるのだと思いますが、最低限の音質を保証する、という目印としてハイレゾ対応ロゴを使う動きが出ているのかもしれません。
オーディオ製品の常で価格帯が上の側はいつでもほとんど青天井に近い状態ですが、ハイレゾ対応製品のエントリークラスは価格面で下方向に少しずつ広がっててきます。
そしてどの価格のクラスにも、それぞれいい音を実現した良い機種が出回るようになっています。
今回は、全メーカーの中でのハイレゾ対応ヘッドホンの状況をまとめます。
- ハイレゾ対応ヘッドホンの定義
- ハイレゾ対応ヘッドホンの価格帯
- ブルートゥース対応機でハイレゾ対応製品はあるか?
- ソニーのハイレゾ対応ヘッドホンの概況
- 音質アップに効果的なハイレゾ対応ヘッドホンアンプ
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ハイレゾ対応ヘッドホンの定義とは?
ハイレゾ対応を名乗れるかどうかの基準は、現在は日本オーディオ協会とJEITAが明確な定義を行なった関係ではっきりとした線引きが行なわれています。
ハイレゾ対応機材の中でもアナログ系の機材に関しては、日本オーディオ協会側の定義が適用されることになります。
デジタルデータを扱うDACやハイレゾ音源データそのものには、かなり定量的な基準が適用されます。
ですが、アナログ動作するオーディオ機材ではその基準はデジタル系とは違いさほどキッチリとしたものではなく、再生可能な周波数範囲が40kHzまで伸びていることだけが定量的な部分です。
そのほかは製品を開発するメーカーがそれなりの試聴を行なって、キッチリした再生が行える機材、程度のやや曖昧な基準となっています。
一部の、というよりは恐らくは1機種だけ存在する完全デジタル駆動のヘッドホンを除き、イヤホンやヘッドホンはアナログ動作をする機材です。
ですので、ハイレゾ対応のロゴを取得するための基準は、再生可能な周波数範囲が40kHz以上まで伸びていることと、ある程度以上のしっかりした音の再生が可能なことの2点になります。
必ずしも「ハイレゾ対応」のロゴがあるから高性能で高音質で、ロゴのない製品よりも良い機材という保証がある訳ではないのですが、基本的な音質面の水準をクリアしていることは期待できる製品になっていると思います。
ただ、オーディオ製品は色々な面にコストをかけられる製品ほど音質も良くなりますので、2万円のハイレゾ非対応ヘッドホンと5千円のハイレゾ対応ヘッドホンを比べた場合には、当然2万円のハイレゾ非対応ヘッドホンの方が音は良くなります。
ハイレゾ対応ヘッドホンの価格帯
ハイレゾ対応ロゴが使われ始めた当初はイヤホン・ヘッドホンジャンルの製品でも、ハイレゾ対応品は一般的なメインストリームの価格帯と思われる線よりも高めの製品が多かったように思います。
今でも、例えばソニーではハイレゾ対応製品は概ね1万円以上のものだけに限られています。
オーディオ製品は一般的には、使うパーツのコストとチューニングや音設計のための手間をかければかけるだけ音質が良くなる傾向がある製品です。
このため低めの価格帯で音質面も良いものを、というのはなかなか難しいジャンルの製品になっています。
ただ、最近では大手メーカー以外もハイレゾ対応機を数多く世に出すようになってきていて、従来よりも安い価格帯の製品でもハイレゾ対応ロゴを付ける機材が出てきています。
絶対的な性能・音質面ではそういった製品がより高額な製品に肩を並べることは難しいのですが、コストパフォーマンス、コスパの面では非常に優れた製品も数を増やしてきています。
このタイプのコスパに優れた製品では5,000円程度からかなり良い音を実現したイヤホンも登場しています。
数年前から高級イヤホン・ヘッドホンの動きが活発になって音楽を良く聴く人たちの間では、ヘッドホン製品のメインストリーム帯の価格がかなり上にシフトしている感じがあります。
製品の数で見ると、ハイレゾ対応機も含め2万円~ぐらいが主流と言えそうな雰囲気です。
2万円クラスのヘッドホンはやはり1万円クラスのものとは聞こえてくる音がかなり違いますから、きちんと音楽に向き合いたいユーザーにはしっかり投資に見合うリターンがあります。
聴ける音楽のクオリティまで考えれば、コスパの面でも十分だと言えると思います。
イヤホンやヘッドホンも他のオーディオ機器同様、上を見るとほとんど青天井に近いような価格の製品が存在しています。
イヤホンでも今は10万円を超える製品がザラ。
ハイレゾ対応ロゴは付けてないと思いますが、「イヤーモニター」と呼ばれるタイプの製品になると20万円を超える製品も数多く存在します。
ですが、とりあえず本格的に音楽と向き合うことを始める際には、まずは予算2万円程度を目安に製品を探してみるのが良いかもしれません。
ハイレゾ対応ヘッドホンでブルートゥース対応のものはある?
イヤホン・ヘッドホンは現状では、ブルートゥース接続のみでハイレゾ対応を名乗ることは出来ません。
ブルートゥースの通信速度の上限が低いため生のハイレゾ音源データの伝送が出来ず、通信経路でロスあり圧縮を使う必要があるのがその理由の一つです。
例えばソニーのブルートゥース接続対応のイヤホン・ヘッドホンでは、USBケーブルなどで有線接続をしたときのみハイレゾ対応となります。
ブルートゥース接続のままではソニーのキャッチコピーのように「ハイレゾ級」までの表現が限界です。
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ソニーのハイレゾ対応ヘッドホンの状況
ソニーのイヤホン・ヘッドホンでは、現行機種の上位機種は基本全てハイレゾ対応機になっています。
唯一の例外がロングライフなモデルになっている、ダイナミック型ドライバー一発のイヤホンのハイエンド機、MDR-EX1000です。
この機種以外は1万円を境に、これよりも上位の機種は全てハイレゾ対応機となります。
今ソニーのイヤホンタイプはメインストリームは全て、ダイナミック型とBA型のハイブリッドタイプになりました。
ハイレゾ対応機としてはローエンドのMDR-EX750とその後継機のみが純粋なダイナミック型イヤホンになります。
音質アップにハイレゾ対応ヘッドホンアンプもおすすめ
今販売されているハイレゾ対応ロゴ取得済みのイヤホン・ヘッドホンは、エントリークラスの製品から全て一定水準以上の再生能力を持っていると考えて大丈夫そうです。
ですので、手元のポータブルオーディオなどの音質アップを図りたい場合には、今使っている製品よりも1ランク上ぐらいのハイレゾ対応機を検討するのも良いでしょう。
オーディオ機材では、音の出口になる製品、イヤホン・ヘッドホン、スピーカーのアップグレードを図るのが最も効果的な音質改善の方法です。
まずはイヤホンなどのアップグレードで音を改善し、より良い音を目指したくなったら、次にプレイヤーやアンプを取り替える、そういったやりかたで順番に機材のアップデートを図るのがうまいやり方です。
そういった観点からすると、ヘッドホンのアップグレードの次にはスマートフォンにハイレゾ対応のヘッドホンアンプを追加する、と言うのが順当な音のアップグレードパスの一候補になるでしょう。
パソコンで音楽を聴く場合にも、USB DAC内蔵のヘッドホンアンプを追加すると、比較的ローコストで効果的に音質の改善が狙えます。
まとめ
- アナログ動作のヘッドホンは再生可能な周波数が40kHzまで伸びることとしっかりした音が出せることがハイレゾ対応の条件
- ハイレゾ対応ヘッドホンは5000円ぐらいから。メインストリームの価格帯は2万円程度
- ブルートゥース接続だけではハイレゾ対応ヘッドホンは名乗れない
- ソニーの1万円以上のヘッドホンにはほぼ自動で「ハイレゾ対応が付いてくる」
- ヘッドホンの次にヘッドホンアンプの追加で音質のアップグレードを図るのもいい方法
ハイレゾ対応のヘッドホン周辺の状況をまとめると以上のような感じになるでしょうか。
メーカーのポリシー的なもので、全くハイレゾ対応にこだわらないメーカーもまだまだたくさんあります。
ですがかなりのオーディオの老舗でも、ハイレゾ音源のこの方向に興味を持って製品開発を積極的に行なうところもまた数を増やしています。
スピーカーから音を出す場合よりも、イヤホン・ヘッドホンの更新による音質アップは比較的手頃に行えますから、普段聴く音楽をよりいい音で聴きたい場合にはまず最初に検討してみると良い方法と言えるでしょう。
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